吉村文庫自主映画の世界: 1984年「カンコー・ナガサキ」10分

1984朝日新聞社主催第4回全日本ビデオコンテスト大賞受賞作品
　　　　　　審査員：大島渚ほか　
　　　　　　副賞100万円

ストーリー

長崎に来た女性を観光案内する男性の話、ただし時間は次の電車が来る５分間である。果たしてこの５分間で観光できるのか？

「カンコー･ナガサキ」余談

　長崎大学在学中に撮影したもので、この作品で初めて全国規模のビデオコンテストで優勝した記念すべき作品です。

　撮影期間は1週間。毎日朝から夕方暗くなるまで、ただただ、ひたすら走り続けるという主演の2人にとっては超過酷なものでした。撮影最終日近くには2人とも血豆を作りながらの力走でした。お金はないけど暇はある大学時代だからこそできる手間隙かけた作品です。

　技術的には併走のために車椅子にカメラを固定したりなど撮影初心者ならではの工夫も多かった記憶があります。よく見ると冒頭や走るUPのカットなどは大型プロジェクター前での演技をして擬似合成みたいなこともやっています。円谷特撮好きならではの演出です。

　当然1983年の作品であるため、紹介している名所の風景はほぼ全部変わってしまっていて、今となっては当時を知る貴重な映像となっている部分が多い。

（長崎駅の駅舎も改築前のもの。映っている名所の看板はほぼ全て現存しないし、中華街やめ　がね橋の風景など今とは全く違っている）

　なお懐から出した時計は当時私が実際に使用していた目覚まし時計です。パタパタのデジタル時計が今となっては懐かしいものです。

前作「ぱにっくinバレンタイン」が読売新聞主催ソニー協賛のビデオコンテストで自由部門大賞

今作「カンコー・ナガサキ」が朝日新聞主催パナソニック（松下電器）協賛のビデオコンテストで大賞。そして

この後に作る「根性！」でビクター主催の東京ビデオフェスティバルで自由部門特選。

この頃吉村文庫は「コンテスト荒らし」と呼ばれていました。マジで。ここ数年が一番輝いていた時代ですね。このあとはどんどん鈍るばかりですｗ。